お子さんがピッチャーとして頑張っているけれど、ピッチの精度がまだ安定していないですか?
この記事では、その問題を解決する方法を紹介します。
小学生のピッチャーはよく投球の精度に困ります。主に体幹の安定性が未熟であるためです。
「投げたいところにボールが行かない」というのは残念なことですが、具体的な3つのトレーニング方法で大きく改善できます。
【少年野球】ピッチングの精度を向上させる3つのトレーニング
体幹の強化(コア筋肉)
★基本的な体幹の安定性が不足している
投球時にはまず足を上げ、力を軸足に集中させます。
このとき、しっかりとした一本足の姿勢が必要で、体幹が不安定だと正確なコントロールが難しくなります。
一本足で立つときは、軸足の膝が曲がらないようにすることが大切です。
そうすることで、蓄えた力を効率良く上半身に伝えることができます。
視線を一定に保つことも、精度の高い投球には欠かせません。
キャッチャーのミットから目を逸らさないことで、さらにコントロールが安定します。
体幹を鍛えることのメリットは以下の通りです
・筋肉を効果的に使うためのバランス感覚が向上する。
・腕や足の動きがスムーズになり、関節の動きが良くなる。
したがって、表面的に筋肉が発達していても、強い体幹が支えていなければ、その力を十分に活用することはできません。
リリースポイントの安定化
リリースポイントの一貫性が欠けていると、投球の精度に大きく影響します。
ボールの放出点を一定に保つことが、コントロールを大幅に改善する鍵です。
目標とする相手の胸への正確な投球を実現するために、適切な距離からキャッチボールを行い、ボールを放す正しいタイミングを一球ごとに確認しましょう。
単なるウォーミングアップではなく、意味を持たせた練習が重要です。
このようにして、効果的なリリースポイントの練習を積むことで、より無駄のない練習が行えます。
さらに、タオルを使ったシャドウピッチングは、実際のキャッチボールで確認したリリースポイントを体に覚え込ませるのに役立ちます。
下半身を活用した投球フォーム
投球技術において、上半身に依存し過ぎないことが非常に重要です。
体幹とリリースポイントが確立したら、次は「上半身に過度に頼っていないか」を意識しましょう。
効果的なコントロールを持つ投手は、通常、下半身を活用したフォームを取り入れており、上半身の動きを最小限に抑えます。
下半身が安定していると、体の開きを抑えやすく、リリースポイントの一貫性を維持しやすくなります。
ランニングやスクワットで筋持久力と力強さを高めることが推奨されます。
試合の後半になると、通常は下半身の疲労が始まり、これが球速の低下やコントロールの乱れに繋がります。
しかし、下半身がしっかり鍛えられていれば、上半身が疲れても試合の終盤でも一貫したパフォーマンスを維持し、投球の精度を保ち、コントロールの乱れを最小限に抑えることが可能です。
プロ野球の投手の中に太ももやお尻が発達した選手が多いのは、下半身の重要性がそれだけ大きいことを示しています。
ピッチングの精度を向上させる3つのトレーニング方法
リリースタイミングの精度向上
プライオメトリックボールを用いたトレーニングについてご存知でしょうか?
これは、大谷翔平選手がアメリカに移籍してから取り組んでいるトレーニングの一つです。
アメリカで使われている滑りやすい野球ボールに対応するために、異なる重さのボールを壁に投げつけ、どのように指を使って力を伝えると均等に力が加わるかを体得します。
この方法はリリースのタイミングを鋭くするのに非常に有効です。
また、リリースポイントを安定させるための最適なトレーニングであり、異なる重さや色のボールを使うことでピッチングに関連する筋力も強化し、リリースの一貫性を保ちます。
異なる距離でのピッチングトレーニング
異なる距離からのピッチングは、ピッチングコントロールを向上させるために特にお勧めの練習方法です。
5メートルからスタートし、ストライクゾーンに投げ込むイメージを持って練習を始めます。
その後、2メートルずつ距離を延ばしていき、どの距離でピッチングが不安定になるかを観察します。
これにより、特定の距離でどのような投球フォームの変化が必要かが明確になります。
16メートルを超える距離からのピッチングは、より多くの力を加えて正確にストライクを投げる高度な技術を要求されますが、初めのうちはストライクを外しても構いません。
このトレーニングは、どの程度の力を加えれば目的の位置にボールを投げられるかの感覚を養うことが目的です。
距離が短くなればなるほど、コントロールは容易になり、このトレーニングはピッチング技術全体の向上に貢献します。
中距離での直線的キャッチボールトレーニング
このトレーニングは、単に投球力を強化することを目的としています。
力が足りないと、ボールが低くなりストライクゾーンへの投球が難しくなるため、精神的なプレッシャーも増大します。
理想的な練習距離は20メートルから30メートルです。
この範囲内で、ライナー、つまり直線的な飛び方を意識してキャッチボールを行います。
この際、ボールの回転、特にフォーシームのグリップを意識してみましょう。
ただ高く投げるのではなく、強く直線的にボールを投げる技術の向上が重要です。この方法を取り入れることで、より力強いかつ正確な投球が可能になります。
ピッチングコントロールを向上させることの利点
ピッチングの楽しみが増加
コントロールが向上すると、自分が意図した通りにボールを投げられるようになります。
これにより打者を抑える確率が高まり、ピッチングの楽しみが格段に増えます。
また、精確なコントロールを持つピッチャーはキャッチャーからの信頼を得やすく、チーム内での信頼関係も強化されます。
これは全体的なパフォーマンスの向上につながります。
投球数の削減と疲労の軽減
コントロールが良いと無駄な投球や四球が減り、結果として投球数が減少します。
これによりランナーが出る機会も少なくなり、ピッチャーの疲労が軽減されます。
例えば、通常100球投げるところを80球で済ませることができれば、月間で見ても大幅な球数削減となります。
これは年間で見ると1,200球の削減にもなり、肩や肘への負担軽減が期待でき、故障リスクも下がります。
守備時間の短縮とチームメイトへの良い影響
守備時間が短くなると、チーム全体がその恩恵を受けます。
野球では「守備は短く、攻撃は長く」と言われますが、特に厳しい気候条件下でのプレイでは、長い守備時間は選手にとって大きな負担です。
コントロールが改善されると、試合のテンポも良くなり、チームメイトからの評価も高まります。
これはチームの結束を強化し、信頼関係を築く上で非常に重要です。
まとめ
ピッチングのコントロールは非常に習得が難しいスキルですが、一度身に付ければ他のどんな能力よりも大きな強みとなります。
特に、速球を投げる能力を超えて、コントロールの精度を高めることがピッチャーにとって非常に重要です。
コントロールを向上させるためには、シンプルに継続的に基本の練習を重ねることが大切です。
日々のトレーニングを基本に忠実に行い、着実にスキルアップを目指しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!